- 8月 5, 2025

BABYMETALコラボで発見!まだ知らない海外ロックバンドを芋づる式にディグる最強メソッド
BABYMETALといえば、デビュー当初は「これはメタルじゃない!」と純粋培養メタルヘッズたちから猛烈なバッシングを受けた記憶がある。しかし時は流れ、今や世界中の大物アーティストたちがこぞってコラボを申し込む、引く手あまたの存在となった。
メタリカのラーズ・ウルリッヒが「彼女たちは本物だ」と太鼓判を押し、レッド・ホット・チリ・ペッパーズとの共演を果たすなど、もはや世界でも唯一無二のメタルポジションを確立している。そんなBABYMETALとコラボした海外アーティスト、特にヘヴィミュージック界隈のバンドたちを紹介しながら、新しい音楽発見の術を伝授していこう。
これこそが「BABYMETALから始める音楽ディグ術」の真髄だ。一つのバンドを起点に、芋づる式に新たな音楽の扉を開いていく。今回はそのメソッドを実践形式で体験してもらう。

My Queen
コラボ体系:ゲストボーカル参加
「My Queen」は、Spiritboxのボーカリスト、ブリー・カマスをフィーチャーした楽曲。
攻撃的なギターリフとスクリーム、エモーショナルなメロディが融合。Spiritboxが得意とするモダンなメタルコア要素が加わり、BABYMETALの持つヘヴィネスを新たな次元へと引き上げている。両者の個性が際立つ強力なコラボレーション作品。
Official Music Video
Spiritbox
カナダ出身のモダン・メタルコアバンド。
グラミー賞ノミネート歴もあるヴォーカルのコートニー・ラプラントによるクリーンボイスとグロウルを自在に操る圧倒的な歌唱力が最大の魅力。
ヘヴィなリフとダイナミックなブレイクダウン、そして叙情的で美しいメロディを融合させたサウンドは、ジャンルの垣根を越え多くのリスナーを魅了し、新世代のメタルシーンを牽引する存在として高い評価を得ている。
代表的なアルバム「Eternal Blue」(2022年)
ヘヴィネスとメロディの完璧な融合を提示した傑作。
コートニー・ラプラントの変幻自在なボーカルを軸に、ジェントやメタルコア、プログレッシブな要素が緻密に構築されたサウンドは圧倒的な完成度を誇る。モダンメタルシーンの新たな金字塔として、批評家からもファンからも絶賛された作品となった。
Song 3
コラボ体系:楽曲共同制作
ロシアのデスコアバンドSlaughter to Prevailがコラボした「Song 3」は、両者の“美と野獣”が激しくぶつかる衝撃作。
Slaughter to Prevailの重戦車のような極悪サウンドに、BABYMETALのキュートなボーカルとコミカルなダンスが絡み合い唯一無二のカオスを生み出している。
Official Music Video
Slaughter to Prevail
ロシア出身のデスコアバンド。その最大の特徴はボーカルのアレックス・テリブルによる地獄のような超重低音グロウル。
彼のボーカルはまさに「野獣の咆哮」と形容され聴く者を圧倒する。音楽的には、ブルータルなブレイクダウンと機械的なリフが特徴的なデスコアサウンドを基盤としつつ、近年はニューメタルからの影響も取り入れ、より多様なアプローチを見せている。その極悪なサウンドと強烈なボーカルで、デス・コアシーンの最前線を走るバンドの一つである。
代表的なアルバム「GRIZZLY」(2025年)
トレードマークであるアレックス・テリブルの極悪グロウルと、重厚なデスコアサウンドをさらに研ぎ澄ませた作品。
過去作よりブルータルさと実験性を増し、ニューメタルやオーケストラ要素も取り入れ、楽曲の多様性が光る。特に、緻密なプロダクションによって各楽器の音が際立ち、圧倒的な音圧と緻密なアレンジが共存する、まさに「現代ヘヴィネスの到達点」とも言える一枚。
from me to u (feat. Poppy)
コラボ体系:ゲストボーカル参加
2025年6月13日にリリースされた最新アルバム「METAL FORTH」に収録されており、2025年4月4日に先行デジタルシングルとしてリリース。
鋭いギターリフと重厚なビートが印象的なポストハードコア/メタルサウンドを基調としつつ、BABYMETALらしい「Kawaii」要素も散りばめられている。Poppyのシャウトボーカルが加わることで楽曲にさらなる深みとアグレッシブさが加わり、両者の個性が融合した新しいタイプのメタルサウンドが誕生した。
Official Music Video
Poppy
彼女の音楽は、エレクトロポップ、インダストリアル、ニューメタル、オルタナティブロックなどを横断し予測不能なサウンドが特徴。特にアルバム「I Disagree」以降は、ヘヴィなギターリフとキャッチーなポップメロディ、そしてシャウトやクリーンボーカルを使い分ける多様な歌唱スタイルで唯一無二の世界観を確立。
代表的なアルバム「Negative Spaces」(2024年)
彼女の音楽的探求の集大成とも言える作品。
Bring Me The Horizonのジョーダン・フィッシュをプロデューサーに迎え、メタルコア、オルタナティブロック、シンセポップなど多様なジャンルを横断。キャッチーなメロディと、シャウトとクリーンを自在に行き来するボーカルが特徴で、ブルータルなヘヴィネスとポップな要素が巧みに融合している。
RATATATA
コラボ体系: 楽曲共同制作・ゲストボーカル参加
2024年にシングル配信リリース。ドイツ出身のElectric Callboyとのコラボ曲「RATATATA」は、両者の個性が激しくぶつかり合いながらも、見事に融合したパーティチューンである。
Electric Callboy特有のユーモラスなエレクトロコアに、BABYMETALのシリアスなメタル要素とキレのあるパフォーマンスが加わり、想像を超える化学反応を生んでいる。特にMVでは互いの世界観がシームレスに織り交ぜられ、まさに奇跡のコラボと言える仕上がりとなっている。
Official Music Video
Electric Callboy
ドイツ出身のエレクトロニコア/メタルコアバンド。旧Eskimo Callboyから改名した彼らは、メタルにエレクトロニック要素を大胆に取り入れた革新的サウンドで知られる。シンセサイザーとブレイクダウンが共存する、まさに現代メタルの最前線を走るバンドだ。
代表的なアルバム「TEKKNO」(2022年)
EDMとメタルコアを完全に融合させた野心作。パーティーミュージックとしてもヘッドバンギング用としても機能する、ジャンルの境界を軽々と越えた作品だ。
Kingslayer (with BABYMETAL)
コラボ体系: 楽曲共同制作
Bring Me the Horizonの2020年アルバム「POST HUMAN: SURVIVAL HORROR」収録。現代ヘヴィミュージックシーンの中核バンド、イギリス出身のBring Me The Horizonとの共同制作。
BMTHの攻撃的なサウンドに、SU-METALの力強くもキャッチーなボーカルが鮮烈なコントラストを生み出している。互いの持ち味を最大限に引き出し新たな化学反応を起こしたことで、両バンドのファンを熱狂させた、まさに「王殺し」の衝撃作。
Official Live Video
Bring Me the Horizon
イギリス・シェフィールド出身のポストハードコア/オルタナメタルバンド。
デスコアからポップパンクまで、アルバムごとに劇的な進化を遂げる変幻自在のバンド。圧倒的に完成度の高い楽曲で2010年代以降のヘヴィミュージックシーンの最前線に君臨。オリバー・サイクスの哲学的な歌詞と実験的なサウンドアプローチで世界中のファンを魅了している。
代表的なアルバム「That’s the Spirit」(2015年)
ヘヴィネスを保ちながらもポップセンスを大幅に取り入れた転換点となる作品。結成初期のデスコアファンからは賛否両論だったが、新たなファン層の獲得に成功した戦略的名盤だ。
Distortion (Feat. Alissa White-Gluz)
コラボ体系: ゲストボーカル参加
2019年発売の3rdアルバム『METAL GALAXY』収録。
元々2018年にデジタルシングルとしてリリースされた楽曲。アルバム『METAL GALAXY』では、Arch Enemyのアリッサ・ホワイト=グラズがゲスト参加し、彼女のパワフルなデスヴォイスが加わった別バージョンが収録されている。SU-METALのクリーンヴォーカルとアリッサのグロウルが織りなす対比が楽曲の重厚感を増幅させ、オリジナルの持つスピード感とメロディをさらに際立たせている。
Official Music Audio
Arch Enemy
スウェーデン出身のメロディックデスメタルバンド。マイケル・アモットの流麗なギターワークとアンジェラ・ゴサウ→アリッサ・ホワイト=グラズの女性ボーカルでありながら獰猛なグロウルボーカルで、北欧メタルシーンを代表する存在。技術力と楽曲センスを兼ね備えた真のメタルマスターズだ。
代表的アルバム「War Eternal 」(2014年)
アリッサがARCH ENEMYに加入して初めてリリースされたアルバム。
バンドのメロディック・デス・メタルとしての持ち味はそのままによりアグレッシブでモダンなサウンドへと進化を遂げた、まさにアリッサ時代の幕開けを象徴する一枚。
メタり!! (feat. Tom Morello)
コラボ体系:ゲストギター参加
2023年8月18日にデジタルシングルとしてリリース、新生BABYMETAL(SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALの3人体制)として発表した初の新曲。
楽曲はBABYMETALらしい祝祭感あふれる和風の導入から始まり、一気にヘヴィなリフと疾走感のあるビートへと展開。随所に散りばめられたトム・モレロの独特なスクラッチ奏法やアーミングで、彼の代名詞とも言えるエフェクティブなギターサウンドがBABYMETALのサウンドに新たな彩りを加えている。
Official Music Video
Rage Against The Machine
政治的メッセージを込めたラップと、革命的なギターサウンドが融合したラップロックバンドです。
トム・モレロのギターは、スクラッチやアーミング、キルスイッチなど変幻自在なテクニックを駆使し、まるでDJのような音色を奏で、唯一無二のグルーヴとアグレッシブなエネルギーを放出。社会への怒りを爆発させる彼らの音楽は今なお多くのリスナーに影響を与え続けている。
代表的アルバム「The Battle of Los Angeles 」(2000年)
過去2作で確立した彼らのサウンドをさらに洗練させた傑作。前作と比較して、よりタイトで無駄のない楽曲構成が特徴で、ザック・デ・ラ・ロッチャのラップはより言葉を畳み掛けるような切迫感を増している。
バンド全体のグルーヴはより重厚かつ硬質になり、政治的メッセージは依然として鋭く、そのメッセージを伝えるための音楽的強度が高まった一枚。
その他の注目コラボレーション
DragonForce
イギリスのパワーメタルバンドDragonForceとは結成初期の共同制作や複数回の共演を実現。
ハーマン・リとサム・トットマンの超絶技巧ギターとBABYMETALの融合は、まさにファンタジーメタルの究極形だ。
BABYMETALの初期からの代表曲「Road of Resistance」は、ギタリストであるサム・トットマンとハーマン・リが共同で作曲・ギターアレンジを担当しレコーディングにも参加している。彼らの高速でテクニカルなギタープレイが存分に発揮されている名曲。
Official Music Video
Polyphia
テキサス出身のプログレッシブロック/マス・ロックバンド。ティム・ヘンソンとスコット・ルページによる革新的なギタープレイで、インストゥルメンタルロックの新境地を開拓している。
「Sunset Kiss (feat. Polyphia)」でコラボ、また、アルバム「Metal Galaxy」の「Brand New Day」でも参加している。BABYMETALとの融合は、テクニカルとポップの見事な調和を生み出した。
Official Live MV
まとめ:BABYMETALが証明する音楽の無限可能性

改めて感じるのは、BABYMETALが世界的に確固たる人気を得ているという事実だ。
そして彼女たちとコラボするアーティストたちも、DragonForceやArch Enemy、Bring Me the Horizonといった世界トップシーンを代表するバンドやレジェンドバンドばかりである。
これは決して偶然ではない。BABYMETALが持つ革新性と普遍性、そして何より音楽に対する純粋な情熱が、ジャンルや国境を越えた共鳴を生み出しているのだ。
そしてここで強調したいのはBABYMETALだけでなく、これらのコラボアーティスト自身の作品も非常に優れているということだ。
Bring Me the Horizonの実験的進化、Electric Callboyの革新的融合、Arch Enemyの技術的完成度。
どれも現代ロック・メタルシーンの最前線を走る、聴く価値のある作品ばかりだ。
今回、BABYMETALを起点に新しい洋楽バンドを発見・ディグる方法を実践したが、この手法は起点をどのバンドに変えても応用が効く。特に近年のバンドではコラボ案件が多いため、この方法は特に有効だろう。
当サイトでは、アーティスト個別ページごとにコラボやゲスト参加のある関連バンドの紹介に加えて、バンドの影響元や後世に影響を受けたバンドなども詳しく紹介している。
新しい音楽の発見やディグることに役立つよう、今後もコンテンツの強化を続けていく予定だ。
音楽の世界に終わりはない。一つの扉を開けば、そこにはまた新たな扉が待っている。BABYMETALという扉から始まった今回の旅が、読者諸君の音楽ライフをより豊かにする一助となれば幸いだ。





