- 10月 9, 2025

【ロックフェス特集第2弾】2025年海外主要ロックフェスの注目新世代バンド10選
前回の記事で2025年の国内2大ロックフェスと海外主要11フェスのヘッドライナーの比較をして、完全な主観ではあるが国内フェスのヘッドライナー含めロック系のラインナップの弱さに言及した。更に言ってしまうと海外フェスでさえ特にオールジャンル系のフェスにおいてロック系のラインナップは弱い、というよりもそもそもの出演バンド数自体も少なくなってきている現状である。
そんな中でも新しく輝かしい才能をもったバンドが現れてきているのは事実、そして積極的な活動で注目度を挙げているロックの未来の黄金の卵が日々生まれてきている。今回のロックフェス特集第2弾ではそんな新時代の注目バンドを紹介していく。
2025年世界のロックフェスで活躍する新世代バンド10選

取り上げるのは前回から紹介している国内2大フェス(フジロック&サマソニ)+海外主要11フェスの計13ロックフェスで下記条件を満たしたバンドを10バンド取り上げていきたいと思う。
- 本年2025年に対象のロックフェスティバルに複数回出演していること
- 2015年以降にデビューアルバムをリリースしていること
尚、前提(言い訳)として、当サイト管理人の主食が1990年代〜2000年代のオルタナロック、パンク・ハードコア、メタル系であることから、選出バンドや批評にいくらかの偏りが出ているであろうことを予めご了承していただきたい。
国内フェス(オールジャンル系)
- フジロック
- サマーソニック
海外フェス(ロック系)
- ダウンロード
- ロックアムリング
海外フェス(メタル系)
- ヘルフェスト
- ヴァッケンオープンエア
海外フェス(オールジャンル系)
- コーチェラ
- グラストンベリー
- レディング
- ボナルー
- ロラパルーザ
- ピンクポップ
- ロスキレ
Seven Hours After Violet
Seven Hours After Violet(セブン・アワーズ・アフター・ヴァイオレット)
- 国籍: アメリカ
- ジャンル: ポスト・ハードコア /メタルコア
- デビューアルバム: 「Seven Hours After Violet」(2024年)
- 出演フェス: ダウンロード、ロックアムリング、ヘルフェスト
Seven Hours After Violetは2010年代後半から頭角を現してきたアメリカのポスト・ハードコアバンドだ。
System of a Downのベーシスト Shavo Odadjianによる新バンド。
表現力豊かなボーカルが楽曲の核を成すモダンなヘヴィサウンドが特徴。
咆哮するようなスクリームから感情を揺さぶるクリーンパートまで、幅広いダイナミクスで楽曲に深みを与えている。
単なるラウドネスに留まらず曲中に現れる空間的なアンビエント要素や、緻密に構築されたブレイクダウンが楽曲に奥行きと意外性をもたらしている。
時にメロディックでキャッチーなフックが顔を出しアグレッシブな中に耳に残る印象を与え、ジャンルの枠を超えたアプローチを感じさせる。楽曲全体から漂うのは内省的でありながらも爆発的なエネルギーを内包した独特の雰囲気が心地よい。
Wisp
Wisp(ウィスプ)
- 国籍: アメリカ
- ジャンル: シューゲイズ / ドリーム・ポップ
- デビューアルバム: 「Pandora」(2023年)
- 出演フェス: コーチェラ、ボナルー、ロスキレ
Wispは近年のシューゲイズシーンで最も注目されているバンドの一つだ。
2023年のデビューアルバム「Pandora」は、90年代のシューゲイズサウンドを現代的にアップデートした傑作として高い評価を受けた。エフェクトを効かせたギターサウンドと夢幻的なメロディーが織りなす音世界は、まさにモダン・シューゲイズの新基準を示している。
特に楽曲構成力の高さとプロダクションの洗練度は同世代のバンドの中でも群を抜いている。フェスでの幻想的なライブパフォーマンスも話題となっている。
Kim Dracula
Kim Dracula(キム・ドラキュラ)
- 国籍: オーストラリア
- ジャンル: ニューメタル / ラップメタル
- デビューアルバム: 「A Gradual Decline in Morale」(2023年)
- 出演フェス: ダウンロード、ヘルフェスト
Kim Draculaは現在のニューメタル/ラップメタルシーンで最も話題性の高いアーティストの一つだ。
2023年のデビューアルバム「A Gradual Decline in Morale」ではヘヴィなメタルサウンドとラップそして時折見せるポップな要素を巧みに融合させた楽曲群を発表した。
個人的には全盛期のマリリンマンソンを彷彿とさせる、特に性別を超越したパフォーマンスとヴィジュアルは従来のメタルシーンの常識を覆すインパクトを持っている。
音楽的にも実験的でジャンルの壁を軽々と越えてしまう自由度の高さが魅力だ。フェスでの過激なライブパフォーマンスは必見である。
- A Gradual Decline In Morale
- My Confession
- The Pledge:
- Luck Is A Fine Thing (Give It A Chance)
- Drown(Official Music Video)
- Superhero(Official Music Video)
- Are You? (feat. Kirin J Callinan)
- Land Of The Sun
- The Turn:
- Divine Retribution
- Undercover
- Industry Secrets
- Rosé
- Seventy Thorns (feat. Jonathan Davis)(Official Music Video)
- The Prestige:
- Reunion And Reintegration
- Kitty Kitty
- Make Me Famous(Official Music Video)
- Iris
- The End, For Now
Glass Beams
Glass Beams(グラス・ビームス)
- 国籍: オーストラリア
- ジャンル: サイケデリック・ロック / インディー・ロック
- デビューアルバム: 「Mirage」(2022年)
- 出演フェス: コーチェラ、ロラパルーザ
Glass Beamsはオーストラリア発のサイケデリック・ロックバンドとして注目を集めている。
2022年のデビューアルバム「Mirage」では60年代サイケデリック・ロックと現代的なインディー・ロックを融合させた独特のサウンドを展開した。
特に東洋的な音階やリズムパターンを取り入れた楽曲構成は、他のバンドにはない個性を放っている。
プロダクションの美しさと、メンバー全員の高い演奏技術が相まって、非常に完成度の高い音楽を創り出している。フェスでの神秘的なライブパフォーマンスも話題となっている。
- Horizon
- Mahal(Official Live Video)
- Orb
- Snake Oil
- Black Sand
Spiritbox
- 国籍: カナダ
- ジャンル: メタルコア / プログレッシブ・メタル
- デビューアルバム: 「Eternal Blue」(2021年)
- 出演フェス: ダウンロード、ロックアムリング、ヘルフェスト
Spiritboxは現在のメタルコアシーンで最も革新的なバンドの一つだ。
2021年のデビューアルバム「Eternal Blue」では従来のメタルコアの枠を超えた多様な音楽性を披露した。
特にコートニー・ラプラント(Courtney LaPlante)の圧倒的な歌唱力は美しいクリーンヴォーカルから凶暴なスクリームまで幅広くこなし、現代メタルシーンの新たな可能性を示している。
楽曲構成も非常に洗練されており、プログレッシブな要素とポップな要素を巧妙に組み合わせている。フェスでのライブパフォーマンスの完成度も非常に高い。
- Sun Killer
- Hurt You(Official Music Video)
- Yellowjacket (feat. Sam Carter)
- The Summit
- Secret Garden(Official Music Video)
- Silk in the Strings
- Holy Roller(Official Music Video)
- Eternal Blue
- We Live in a Strange World
- Halcyon
- Circle with Me(Official Music Video)
- Constance(Official Music Video)
Sleep Token
- 国籍: イギリス
- ジャンル: プログレッシブ・メタル / オルタナティブ・メタル
- デビューアルバム: 「Sundowning」(2019年)
- 出演フェス: ダウンロード、ロックアムリング
今年度のヘヴィミュージック最大の衝撃、ダウンロードフェスでは見事ヘッドライナーに選出。
Sleep Tokenは現在のプログレッシブ・メタルシーンで最も謎めいた存在だ。
2019年のデビューアルバム「Sundowning」ではヘヴィなメタルサウンドとエレクトロニクス、そして美しいメロディーを融合させた独特の音世界を構築した。
匿名性を貫くバンドスタイルと宗教的なテーマを扱った楽曲は、多くのファンを魅了している。
特に「Vessel」と名乗るヴォーカリストの歌唱力は圧倒的で時に天使的、時に悪魔的な声色を使い分ける技術は他に類を見ない。フェスでの神秘的なライブパフォーマンスは一度見たら忘れられない体験となる。
Wallows
Wallows(ウォローズ)
- 国籍: アメリカ
- ジャンル: インディー・ロック / オルタナティブ・ロック
- デビューアルバム: 「Nothing Happens」(2019年)
- 出演フェス: レディング、ボナルー、ロラパルーザ
Wallowsは現在のインディー・ロックシーンで最も注目されているバンドの一つだ。
2019年のデビューアルバム「Nothing Happens」では90年代のオルタナティブ・ロックを現代的にアップデートした楽曲群を発表した。
特にダイラン・ミネット(Dylan Minnette)の甘い歌声と、バンド全体の絶妙なアンサンブルは多くの若いリスナーを魅了している。
楽曲はキャッチーでありながら深みがありプロダクションも非常に洗練されている。フェスでのライブパフォーマンスも非常に評価が高く、観客との一体感を生み出すのが非常に上手い。
- Only Friend
- Treacherous Doctor(Official Music Video)
- Sidelines
- Are You Bored Yet? (feat. Clairo)(Official Music Video)
- Scrawny(Official Music Video)
- Ice Cold Pool
- Worlds Apart
- What You Like
- Remember When(Official Music Video)
- I’m Full
- Do Not Wait
The Warning
The Warning(ザ・ワーニング)
- 国籍: メキシコ
- ジャンル: ハードロック / オルタナティブ・ロック
- デビューアルバム: 「XXI Century Blood」(2017年)
- 出演フェス: ロックアムリング、ピンクポップ、ヘルフェスト
The Warningはメキシコ出身の3姉妹によるハードロックバンドだ。
2017年のデビューアルバム「XXI Century Blood」ではクラシックなハードロックサウンドを現代的にアップデートした楽曲群を披露した。特に3姉妹の息の合った演奏とハーモニーは圧巻で、若い世代でありながら非常に高い演奏技術を持っている。
ダニエラ・ビジャレアル(Daniela Villarreal)のパワフルなドラムプレイ、アレハンドラ・ビジャレアル(Alejandra Villarreal)の重厚なベースライン、そしてポーリナ・ビジャレアル(Paulina Villarreal)の力強いヴォーカルとギターワークが見事に融合している。フェスでの若々しいエネルギーに満ちたライブパフォーマンスは観客を魅了している。
- Six Feet Deep(Official Music Video)
- S!CK(Official Music Video)
- Apologize
- Qué Más Quieres(Official Music Video)
- MORE
- Escapism
- Satisfied
- Burnout(Official Music Video)
- Sharks
- Hell You Call A Dream
- Consume
- Automatic Sun
Knocked Loose
Knocked Loose(ノックト・ルース)
- 国籍: アメリカ
- ジャンル: ハードコア / メタルコア
- デビューアルバム: 「Laugh Tracks」(2016年)
- 出演フェス: ロックアムリング、ロスキレ、ヘルフェスト
Knocked Looseは現在のハードコア/メタルコアシーンで最も勢いのあるバンドの一つだ。
2016年のデビューアルバム「Laugh Tracks」では凶暴なハードコアサウンドとメタルコアの要素を融合させた楽曲群を発表した。特にブライアン・ガーリス(Bryan Garris)の獰猛なヴォーカルと、バンド全体の圧倒的な演奏力は現代ハードコアシーンの新たな基準を示している。
楽曲は非常にアグレッシブでありながらしっかりとしたソングライティングに支えられている。フェスでのライブパフォーマンスは非常に激しく、観客を巻き込んだカオティックな空間を作り出すことで知られている。
- Thirst
- Piece By Piece
- Suffocate (feat. Poppy)(Official Music Video)
- Don’t Reach For Me(Official Music Video)
- Moss Covers All(Official Music Video)
- Take Me Home
- Slaughterhouse 2 (feat. Chris Motionless)
- The Calm That Keeps You Awake
- Blinding Faith(Official Music Video)
- Sit & Mourn
Novelists
Novelists(ノベリスト)
- 国籍: フランス
- ジャンル: メタルコア / プログレッシブ・メタル
- デビューアルバム: 「Souvenirs」(2015年)
- 出演フェス: ダウンロード、ヘルフェスト
Novelistsはフランス発のメタルコアバンドとして国際的に注目されている。
2015年のデビューアルバム「Souvenirs」では、テクニカルなメタルコアサウンドとメロディックな要素を見事に融合させた楽曲群を発表した。女性ボーカルCamille Contreras加入後、プログレッシブ・メタルコアの基盤を保ちつつ、より幅広いボーカル表現とメロディックな要素が加わった。
彼女の多様な歌唱スタイルがバンドのサウンドに新たな深みと広がりをもたらしており、バンド全体の高い演奏技術は現代メタルコアシーンの新たな可能性を示している。
楽曲構成も非常に洗練されておりプログレッシブな要素とキャッチーな要素を巧妙に組み合わせている。フェスでのライブパフォーマンスも非常に評価が高く、観客を熱狂させている。
- Say My Name(Official Music Video)
- Coda(Official Music Video)
- All For Nothing(Official Music Video)
- Maldición de la Bruja
- In Heaven
- Adam and Eve
- Sleepless Nights
- 78 rue
- CRC
- K.O.
新世代バンドが示す音楽の未来

ジャンルの多様性
今回取り上げた10バンドを見ると、その音楽的多様性の豊かさに驚かされる。
シューゲイズ、ニューメタル、サイケデリック・ロック、メタルコア、プログレッシブ・メタル、インディー・ロック、ハードロック、ハードコアと、実に様々なジャンルのバンドが現在のフェスシーンで活躍している。これは従来のロックフェスが特定のジャンルに偏っていたのと比べ、より多様な音楽性を受け入れる土壌ができていることを示している。それぞれのバンドが独自のアプローチでロックミュージックの可能性を探求しており、ジャンルの境界線を越えた実験的な音楽作りが当たり前になってきている。
Femaleパワー
今回取り上げた10バンドの中で、特に注目すべきは女性ヴォーカリストの存在感の強さだ。
Spiritboxのコートニー・ラプラント、The Warningの3姉妹、そして他のバンドでも女性メンバーが重要な役割を果たしている。これらの女性ヴォーカリストに共通しているのは、美しいクリーンヴォーカルから凶暴なスクリームまで幅広くこなす歌唱力の高さだ。従来の男性中心だったロック/メタルシーンにおいて、女性アーティストがその圧倒的な才能で新たな地平を切り開いている。彼女たちの存在は、ロックミュージックの表現の幅を大きく広げており、今後さらなる女性アーティストの活躍が期待される。
まとめ

近年のロックフェスのラインナップの弱さや他ジャンルに押し込まれロックバンドの出演数が減っている事実はあるなかでも、この記事で紹介したような新たな才能は続々生まれてきている。ロックは死んだといわれているし確かにほぼ死にかけているのかもしれない、絶対数は減っているのかもしれないが才能は確実に生まれている。なんならサウンドプロダクションにおいては質の高いバンドの割合は明らかに増えている。
これらの新世代バンドは、従来のロックの枠組みを超えた音楽性と、現代的なプロダクション技術を駆使して、ロックミュージックの新たな可能性を示している。彼らの存在こそが、ロックの未来に希望を与えてくれる光である。
当サイトでは時代を超えたロックのルーツから新時代の才能まで今後も主観的に偏りもありつつ紹介していく。
音楽は生き続けている。
そして新たな才能は必ず現れる。
それを信じて、これからも音楽と向き合い続けていきたい。





